Interview
インタビュー
#01Doctor

地域に根ざした医療を目指して

医師
2010年入職
Q : 仕事に対する想いはどのようなものですか。
完璧を目指すのではなく、柔軟に患者さんと向き合いたいですね。
精神科医療に携わる中で、患者さんは決して望んで病気になったわけではなく、弱い立場に置かれていると感じることが多いです。だからこそ、患者さんに寄り添った医療を提供することを一番大切にしています。そのためには、患者さんやご家族と信頼関係を築くことが不可欠で、どうすれば患者さんに合った治療を提供できるのか、一人ひとりに向き合いながら考えています。人生には良いこともあれば悪いこともあるので、それを自分に言い聞かせながら気持ちをコントロールし、常に前向きでいたいと考えています。完璧を目指すのではなく、柔軟に対応することを心がけ、そうした価値観を治療の場でも患者さんと共有したいですね。

病気を経験することから多くを学び、うまく病気と付き合えるようになることが理想で、精神科医療に携わる中で、回復していく患者さんの姿を目の当たりにすると、私自身も成長や成功体験を感じることができます。患者さんからも多くを教えられ、自分自身の人生観やアイデンティティが確立されてきたと思います。良いことも悪いことも起こるのが人生で、そこから学ぶことで人は成長します。失敗を恐れず、ピンチを自分が変わるチャンスと捉え、その経験を通じて一番大きく成長できると感じています。また、病気を通して、人との温かなつながりを感じる機会になれば、しんどい治療も乗り越え、病気前よりも成長できると信じています。
Q : どのような職場ですか。
一人ひとりの主体性を尊重する環境でモチベーションに繋がりますね。
まず、当院は救急の最前線として様々な症例を経験できる場であり、チーム医療の重要性が非常に大きい現場です。そこで働くことに大きな魅力を感じました。また、病院全体に、医師一人ひとりの主体性を尊重する文化が根付いていると感じます。興味のあることややりたいことについて、色々なかたちでサポートしてもらえるのはとてもありがたいです。
例えば、m-ECTやクロザピンの導入にあたっても、病院側から信頼をいただき、自分の裁量で進めさせてもらえたことが印象に残っています。やりたいことを自分の意思で取り組めることが、働きがいやモチベーションに繋がっていると実感していますね。
なので、常に学び続け、自分で新しいことに挑戦したいという意欲のある医師には最適な環境だと思います。一方で、仕事で楽をしたいという方には、当院は少し向かないかもしれませんが、意欲的にやりがいを求める方にはとても魅力的な職場だと思います。
Q : あなたの「こうありたい」はどんなものですか。
公的機関や医療機関と連携して展開し、地域全体に貢献していきたいと考えています。
普段は外来や入院患者さんの診察を担当するほか、往診に出かけたり、積極的に多職種カンファレンスにも参加しています。また、学会発表や研究活動も積極的に推進しており、臨床研究や治験にも力を入れています。
内科の医師も充実しているため、内科的な身体合併症があれば内科医が診てくれるので、精神科の治療に集中することができ、多くの医師が定時で勤務を終えられるようになっています。

今後は、地域に根差した医療をどのように展開できるかに注目しています。地域の公的機関や他の医療機関と連携を強化し、様々な取り組みを通じて地域全体に貢献していきたいです。現在、世の中全体が大きな変化の過渡期にありますので、それに応じた医療の形も求められると感じています。往診も含め、チームで積極的に地域へ足を運び、現場で実際に何が必要かを体感しながら、地域医療を支えるための活動をしていく予定です。また、予防医療の推進も視野に入れて、地域の皆さんが健康な生活を送れるよう、どんなサポートができるかを考えています。